忘却の整理学

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忘却の整理学

著者名: 外山 滋比古

ページ数: 228

種類: 読み物

おすすめ度: ★4

読了日: 2026年3月6日

一言要約:
単なるハウツー本ではなく、忘却・忘れることについて様々な視点から考え、仮説をもとに忘却の必要性を説く本

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読書中の感想:
忘れることはいけないこと…それはとんでもない勘違いだった

忘却とはあなたにとって最大の武器だ

積極的忘却のすすめ

時代を超える知のバイブル「思考の生理学」の続編、待望の文庫化

忘却をくぐらせて枯れた知識のみが新しい知見を生み出す

生の知識は使い物にならない

忘れてもよい。忘れっぽくても、よい頭は良い頭である。それどころか、新しいことを考えるには忘却の助けが必要である。そう思いついて、世の中の見え方が変わったような気がした。どうしてこんなに記憶が弱いのか、覚えたつもりのことをすぐに忘れてしまう忘却コンプレックスから脱出することができた。忘れることはいけないことと決めてかかっていたのはとんでもない勘違いだったと反省、忘却に対して詫びたいような気持であった。ーーまえがきより

人間とコンピュータの違いは何か?人間は忘却できるがコンピュータはできないと言っているが、忘却の定義は何か?忘却とは、必要なものとそうでないものを判別して不用なもののみを忘れること?

その忘却の定義の例として?(筆者がそのような意図で書いたかはわからないが、必要なものとそうでないことを判別して、不要なもののみを捨てる例として)、自転車を初めて学ぶ時の例が出ていた。本書によれば、自転車に乗る練習をするときは、失敗するごとにうまくなっていく。これは、成功した時のもののみを記憶し、失敗した時のものを忘却しているため、どんどんうまくなっていくのだと書かれていた。これは本当なのだろうか?根拠があるのだろうか?また、これはAI学習に活かせるのではないだろうか?というか、その忘却が科学的に証明されていたのならば、すでに利用されているのでは?また、私は何かを学び成長するときには好奇心が大事だと思ってきた。好きでやっている人の方が成長度が高い気がするから。でも本書の文脈で行くと、何かを成功するために必要なのは成功した時のことを記憶し、失敗した時のことを忘却することによって、どんどん成長していくことができるということになる。ここでいう成長の度合いはどれぐらいなのだろうか?線形?非線形?上限はある?

小説などで名作と呼ばれる先品に、著者の幼少期の記憶やその時に体験した出来事、考えていたことを題材にしたものが多いのは、忘却により過去が洗練・美化されているからではないか。その文脈でいうと、老害は自分の過去を忘却することにより美化され、発生するものなのではないか。老害は仕方ないのではないか。

記憶は変化し続ける。昔見たもので、すごく感動したものを大人になって改めてみたとき、劣って見えることがある。私も覚えがある。期待しすぎると、自分の中で妄想が膨らみ、現実のものと乖離したものを記憶してしまう。これは悪なのだろうか?

忘却のスクリーンを何度も潜り抜けた記憶、追憶、思い出が多く甘美であるのは、不快、苦痛を伴う記憶はいち早く消去されているからである。

忘却により記憶・思い出が甘美になるということは、記憶・思い出の時の距離が離れたから。時の距離が離れれば離れるほどより甘美なものへとなっていく。それと同じように、空間的な距離も同じような作用を引き起こすのではないか?近くで見れば虫がいたり、穴が開いていたりするが、遠くから見れば絶景のように見える。細部のものは距離の消去作用により捨てられてしまっている。

解説がよくわからなかった。

読了後の感想:
老害は忘却により発生するのではないか。忘却とは、必要なものと不要なものを判別し、不要なものを捨てること。よって、中年の人が自分の幼少期について覚えているのは、美化された思い出になる。
なので、老人ともなると、自分の幼少期がかなり美化されるのではないか。小説の名作は、自身の幼少期の思い出や経験を作品にしたものが多いということからもこれは正しいと思われる。
つまり、老害は仕方のないことなのではないか。どうすれば、老害は防げるのだろう。果たして、老害は害なのだろうか?小説の名作の例からすると、フィクションならばよいのだろうか?それとも、老人になっていくにつれて、美化度がひどいもの、飛躍したものになっていくのだろうか?ある一定のところはではプラスに働くが、それ以降はマイナスに働く?美化させないようにあらがうのが大事?でもそれをしたら記憶量が限界に達して混乱してしまう????

思考の整理学を読んで購入したが、思考の整理学ほどの感動は得られなかった。これは読んでいる自分の感情が沈んでいるからかもしれないし、そもそもこの本の魅力が思考の整理学に達していないからかもしれない・・・。