しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術

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しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術

著者名: 泡坂 妻夫

ページ数: 241

種類: 小説

おすすめ度: ★3

読了日: 2026年4月1日

一言要約:
宗教を題材にした古さのあるミステリだが、物語以上に“本という媒体ならではの仕掛け”が印象に残る一冊

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読書中の感想:
「世界でいちばん透きとおった物語」
https://akamafu.com/recommend/16/
の作者が、この「しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術」からインスピレーションを受けたと言っていたので気になって購入。これも加味の本ならではの仕掛けがあるらしい。

一章の前に、最初に語られているしあわせの書の話は、現実世界にある?実際の経典?の話?

読み始めた時はあまり気分が乗らず頑張って読んでいたが、25pぐらいでスラスラ読めるようになってきた。会話文が増えたからか体調の問題なのか。

推し活は宗教だという意見には懐疑的だったが、宗教の布教活動で破産している人を見ると、あながち間違っていないなと思う。

宗教のトップは生きている人ではない方がいいのではないか。

AI技術により人々の心に不安が募ると、宗教ブームが再燃するのではないかと、少し思った。

読了後の感想:
これも普通の小説だなと感じた。確かにミステリにあるあっと驚くような展開はあったがそこまで衝撃を受けなかった。ただこれはシリーズものだったらしく、他のシリーズも読めばもっと楽しめるのかもしれない。ただ、現時点ではほかのシリーズも読もうとはならなかった。

展開も、少し強引に感じられるところや、普通はそうはならんやろ、上手くいきすぎていないか?と感じるところが多々あった。まぁこれは短編小説ゆえの制約なのかもしれない。

ただ、テーマとして、宗教の話があり、これは昔に書かれたものだが、現代に通ずるものがあるなぁと感じたとともに、宗教みたいなものはいつの時代にも存在していたんだなぁと感じた。宗教に関することを考える良いきっかけになった。

読み終えてみると、この作品の面白さは事件そのものの意外性というより、紙の本でしか成立しない仕掛けにあったのだと思う。だから純粋に小説として読むと、展開の強引さや人物の芝居がかった動きが気になる一方で、本という媒体をここまで使い切ろうとした遊び心には感心した。宗教という題材も、教義の中身より、権威や演出や共同体の力学として描かれていて、その点はむしろ今の時代にもつながって見えた。